第5回:関係人口にはどんな関わり方があるのか調べてみました

第4回では、地域との関係を育てるために必要な「関わりしろ」と「人・場・仕組み」について調べました。

地域と関わるための環境があったとしても、実際に自分が何をすればよいのか、すぐには思い浮かばない人もいると思います。

「地域のために活動できる特別な知識や経験が必要なのでは?」
「何度も現地を訪れなければ、関係人口にはなれないの?」

私自身にも、そのような疑問がありました。

そこで今回は、国土交通省の資料を参考に、関係人口にはどのような関わり方があるのかを調べてみました。

全国の18歳以上の2割強が関係人口

国土交通省が2025年6月に公表した調査結果によると、全国の18歳以上のうち、特定の地域と継続的かつ多様な形で関わる関係人口は、約2,263万人と推計されています(※1)。

内訳は、実際に地域を訪れて関わる「関係人口(訪問系)」が約1,884万人、地域を訪れずに関わる「関係人口(非訪問系)」が約379万人です。

合わせると全国の18歳以上の約22%に当たり、5人に1人を超える人が、普段暮らしている場所とは別の地域と何らかの関係を持っていることになります。

なお、この調査は2023年9月から10月に実施され、その結果が2025年に公表されたものです。

関わり方は「訪問系」と「非訪問系」に分けられる

関係人口の関わり方は、大きく「訪問系」と「非訪問系」に分けられます。

訪問系は、特定の地域を実際に訪れながら関わる人です。
非訪問系は、現地を訪れなくても、商品購入や情報発信、オンライン交流などを通じて地域と関わる人です。

第2回でもこの分類に触れましたが、今回は、それぞれにどのような関わり方があるのかを、もう少し詳しく見ていきます。

地域を訪れて関わる5つの方法

国土交通省の資料では、関係人口(訪問系)を、地域での過ごし方に応じて5つに分類しています(※2)。

今回は、初めて地域と関わる人にもイメージしやすいものから紹介します。

趣味・消費型

地域ならではの飲食や買い物を楽しんだり、自分の趣味や地域の環境を楽しんだりする関わり方です。

好きな食べ物や景色、温泉、アウトドアなどを目的に同じ地域を繰り返し訪れることも、地域との継続的な関係になり得ます。

最新の調査では、訪問系の中で「趣味・消費型」が最も多くなっています(※1)。

参加・交流型

地域のお祭り、イベント、体験プログラム、学びの場などに参加したり、地域の人との交流を楽しんだりする関わり方です。

地域を訪れるだけでなく、地域の人と話したり、一緒に活動したりすることで、地域との接点が増えていきます。

就労型(テレワーク)

地域に滞在しながら、普段の仕事や訪問先とは別の地域の仕事を、テレワークなどで行う関わり方です。

普段の仕事を続けながら地域で過ごすことで、観光とは異なる地域の日常に触れる機会が生まれます。

就労型(現地就労)

地域の企業や事業所で働いたり、農林漁業に携わったり、農作業などを手伝ったりする関わり方です。

地域での副業や期間を限定した仕事も含まれます。

直接寄与型

地域のボランティアや地域資源の保全活動、まちおこしのプロジェクトなどに参加する関わり方です。

企画を自分で運営するだけでなく、地域の取組に協力したり、専門知識を生かして支援したりすることも含まれます。

地域を訪れなくてもできる関わり方

関係人口になるために、必ず地域を訪れなければならないわけではありません。

国土交通省の資料では、非訪問系の関わり方として、次のようなものが挙げられています。

  • ふるさと納税で地域を継続的に応援する
  • クラウドファンディングに参加する
  • 地域の商品を定期的、継続的に購入する
  • 離れた場所から地域の仕事を請け負う
  • SNSなどで地域の情報を発信する
  • オンラインで地域と継続的に交流する

住んでいる場所や仕事、家庭の事情によって、現地を訪れることが難しい人もいます。

そのような場合でも、商品を購入したり、地域の情報を発信したりすることで、離れた場所から地域を応援できます。

訪問とオンラインを組み合わせることもできる

訪問系と非訪問系は、どちらか一方だけを選ぶものではありません。

オンラインで地域を知り、地域の人と交流した後、実際に現地を訪れる。
訪問後もオンラインで情報交換を続け、地域の商品を購入したり、情報を発信したりする。

このように、オンラインとオフラインを組み合わせることで、遠くに住んでいても地域との関係を始めやすく、継続しやすくなります。

関わり方に決まった順番やゴールはない

国土交通省の分類では、訪問系の5つの類型を、地域との結びつきの度合いに応じて整理しています。

しかし、これは関わり方の優劣や、必ず進まなければならない順番を示すものではありません。

趣味をきっかけに地域を訪れ続ける人もいれば、仕事から関係が始まる人もいます。

イベントへの参加を続ける人もいれば、地域との関係が深まり、ボランティアや地域づくりに参加するようになる人もいます。

仕事や家庭の状況が変われば、現地での活動からオンラインでの応援へ切り替えることもできます。

関わり方は固定されたものではなく、その人の生活や関心に合わせて変化していくものなのだと思います。

自分に合った関わり方を考えてみる

自分に合った関わり方を考えるときは、次のような点が手掛かりになりそうです。

  • どのような地域に興味があるか
  • 現地を訪れる時間があるか
  • どのくらいの頻度なら無理なく続けられるか
  • 地域で楽しみたいことはあるか
  • 生かせる経験や得意なことはあるか
  • どのような人と交流したいか

「地域のために何ができるか」だけでなく、「自分が何を楽しみ、何を得たいか」を考えることも大切です。

自分にとって意味があり、無理なく続けられる方法だからこそ、地域との関係も長く続くのではないでしょうか。

調べてみて感じたこと

今回調べてみて、関係人口になるために、最初から地域づくりのプロジェクトに参加する必要はないのだと感じました。

好きな地域を繰り返し訪れる。
地域の商品を購入する。
オンラインで地域の情報を受け取る。

そのような身近な行動も、特定の地域との関係が始まるきっかけになります。

大切なのは、関わり方の深さを競うことではなく、自分に合った方法で地域への関心を持ち続けることなのだと思います。

あなたが始めやすい関わり方は何ですか?

現地を訪れる、地域の商品を購入する、イベントに参加する、オンラインで応援する。

皆さんが無理なく始められそうな関わり方は、どのようなものでしょうか。

次回は、自治体が関係人口とつながるために行っている具体的な取組について調べてみたいと思います。

<参考>

※1 全国の「関係人口」は18歳以上の2割強!~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~/国土交通省
2023年度調査に基づく関係人口の最新推計人数や割合、訪問系で多い類型を確認するために参考にしました。

※2 関係人口の実態把握―「地域との関わりについてのアンケート」結果とりまとめプレスリリース/国土交通省
関係人口(訪問系・非訪問系)の区分、訪問系の5分類、各分類の具体的な活動内容を確認するために参考にしました。

※本記事の内容は公開時点の情報をもとにしています。最新の情報については、各公式サイト等をご確認ください。

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