第2回:交流人口・関係人口・定住人口の違いを調べてみました

第1回では、「関係人口とはどんな人なのか?」について調べてみました。

その中で、関係人口は、観光などで地域を訪れる「交流人口」や、地域に住んでいる「定住人口」とは少し違う存在だと紹介しました。

でも改めて考えてみると、
「交流人口と関係人口は何が違うの?」
「関係人口になったら、次は移住するの?」

という疑問も出てきます。

そこで今回は、交流人口・関係人口・定住人口の違いについて、私自身が調べながら、学んだことや気づいたことを整理してみたいと思います。

交流人口とは?

「交流人口」とは、観光者等の一時的・短期滞在からなる人口のことです(※1)。

たとえば、一時的に、
旅行で地域を訪れる
地域のお祭りやイベントに参加する
観光やレジャーを楽しむ

といった人たちがイメージしやすいと思います。

普段は別の地域で暮らしていても、旅行などをきっかけにその地域を知り、実際に訪れる。

交流人口は、地域との関係が始まる一つのきっかけにもなりそうです。

関係人口とは?

では、「関係人口」は交流人口と何が違うのでしょうか。

総務省では、関係人口を、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々と説明しています(※2)。

第1回でも紹介しましたが、関係人口の特徴の一つは、特定の地域とさまざまな形で関係を持つことです。

たとえば、
好きな地域を何度も訪れる
地域の人と交流する
地域のお祭りや活動に参加する
地域の仕事や副業に関わる
ふるさと納税などで地域を応援する
オンラインで地域とつながる

など、関わり方はいろいろあります。

国土交通省では、こうした関係人口を、実際に地域を訪れて関わる「関係人口(訪問系)」と、地域を訪問せずに関わる「関係人口(非訪問系)」に分けて整理しています。

2023年度の調査では、全国の18歳以上のうち、関係人口(訪問系)が約18%、関係人口(非訪問系)が約4%で、合わせて約22%と推計されています(※3)。

つまり、関係人口になるために、必ず地域へ何度も足を運ばなければならないわけではありません。

今住んでいる場所で暮らしながら、離れた地域の仕事に携わったり、応援したりすることも、地域との関わり方の一つです。

この「移住しなくても、地域と継続的につながることができる」という点が、関係人口を考えるうえで大切なのだと思います。

定住人口とは?

「定住人口」は、その地域を生活の拠点として暮らしている人たちです。

もともとその地域で暮らしている人だけでなく、別の地域から移住して生活している人も含まれます。

交流人口や関係人口との分かりやすい違いは、その地域に住み、日々の暮らしを営んでいることです。

3つの違いを整理してみる

ここまでの内容を簡単に整理すると、次のようになります。

区分地域との主な関わり
交流人口一時的・短期的に地域を訪れる観光、旅行、イベント参加など
関係人口特定の地域と多様な形で関わる再訪、地域活動、副業、ふるさと納税、オンライン交流など
定住人口地域を生活の拠点として暮らす地域住民、移住者など

こうして並べてみると、
「訪れる」→「関わる」→「住む」

という違いで考えると、最初は理解しやすいかもしれません。

ただし、これは必ず進んでいく順番というわけではありません。

観光をきっかけに関係人口になることもある

たとえば、旅行で初めてある地域を訪れたとします。

そこで景色や食べ物を気に入り、「また来たい」と思う。
もう一度訪れて、今度は地域のイベントに参加してみる。
そこで地域の人と知り合い、その後もつながりが続く。
さらに、地域の活動を手伝ったり、離れた場所から仕事で関わったりするようになる。

このように、
観光で訪れる

地域を好きになる

もう一度訪れる

地域の人とつながる

さまざまな形で関わる

という流れで、交流人口から関係人口へ地域との関係が深まることもありそうです。

観光は、地域を楽しむだけでなく、地域とのつながりが始まる入口にもなるのだと思います。

関係人口の先に移住があるとは限らない

ここは、今回調べる中で特に大切だと感じたポイントです。

関係人口になったからといって、必ずその地域へ移住する必要はないということです。

もちろん、地域を何度も訪れ、人との関係が深まったことで「ここで暮らしたい」と考え、移住につながることもあると思います。

一方で、
「今の暮らしを続けながら、好きな地域とも長くつながりたい」

という関わり方もあります。

年に何度か訪れる。
地域の商品を購入する。
地域の人と交流する。
仕事で地域に関わる。
離れた場所から応援する。

つまり、交流人口→関係人口→定住人口という一本道ではなく、関係人口として地域と長くつながり続けることも一つの形だと考えられます。

調べてみて感じたこと

今回、交流人口・関係人口・定住人口について調べてみて、地域との関わり方には「段階」だけではなく、いろいろな選択肢があるのだと感じました。

地域との関係が深くなるほど、最終的には移住するものだと思ってしまいがちです。

でも、地域に住むことだけが地域との深い関係ではありません。

観光で楽しむ人もいる。
何度も通う人もいる。
離れた場所から応援する人もいる。
仕事を通じて関わる人もいる。

そして、移住する人もいる。

どれか一つが正解ではなく、自分の暮らしや地域との距離に合った関わり方を選べることが大切なのだと思います。

あなたは、好きな地域とどんな関係ですか?

旅行で訪れたことがある地域。
何度も行きたくなる地域。
離れていても応援したい地域。

もし思い浮かぶ場所があれば、自分とその地域が今どんな関係なのか、一度考えてみるのも面白いかもしれません。

地域との関わり方に、決まった正解はありません。

自分に合った地域との「ちょうどいい距離感」を見つけることが、地域と長くつながる第一歩になるのではないでしょうか。

次回は、「関係人口はなぜ必要なのか?」について、人口減少や地域の担い手不足なども含めて、もう少し詳しく調べてみたいと思います。

<参考>

※1 4つの人口(情報交流人口、交流人口、二地域居住人口、定住人口)20ページ国土交通省
交流人口の基本的な意味を確認するために参考にしました。

※2 関係人口・ふるさと住民/総務省
交流人口・関係人口・定住人口の関係や、関係人口の基本的な考え方を確認するために参考にしました。

※3 全国の『関係人口』は18歳以上の2割強!~『地域との関わりについてのアンケート』調査結果の公表~/国土交通省
関係人口(訪問系)・関係人口(非訪問系)の分類や、最新の実態調査結果を確認するために参考にしました。

※本記事の内容は公開時点の情報をもとにしています。最新の情報については、各公式サイト等をご確認ください。

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